連絡通路

マディー
おばあちゃんは何を必死に私から隠し通しそうとしているんだろう？今度こそ突き止めなきゃ！

マディー
でも、この場所は何なのかしら？つるや植物であふれかえった部屋が、屋敷の中にあるなんて…

マディー
それに、とてもカビ臭い…

マディー
でも、手がかりの匂いもプンプンするわ。新たな発見がありそう！

マディー
とても大きな鳥かごね。

マディー
巨大な鳥が入っていたってことね…それも人間くらいの。

マディー
一体どんな鳥だったのかしら…

マディー
それとも単なる飾りだったのかな？

マディー
うちの家族は変わってるからね。

マディー
箱の中身は新作のデコレーションでしょうか？

マディー
あっ、道具が入ってる！

マディー
この道具、タイルやガラスまで修復できるのね！ちょうど探してたのよ…

マディー
思いがけない発見ね。ラッキーだわ！

マディー
ああもう！どうしてこんなことをしているか、分からなくなってきたわ！

マディー
おばあちゃんを助けたいのに、当の本人が邪魔ばかりしてくるんだもの！

マディー
今まで色んなことを一緒に乗り越えてきたじゃない…それなのに、真相を打ち明けてくれないなんて信じられない！

マディー
うちの家族とこの邸宅は似たようなものね！掘れば掘るほど…

マディー
膿と秘密が湧き出てくる！

マディー
いっそのこと邸宅の改装なんかやめて、予定通りに取り壊してもらえばいいんだわ！

？？？
失礼、お嬢さん。お取り込み中かな？

マディー
ど、どなたですか！？

ブルーノ
私はホープウェルベイ町長、ブルーノ・ゴライトリーだ。

マディー
きゃああぁぁぁぁっ！！

マディー
なんて汚い水槽なの！

マディー
え…何か動かなかった？

マディー
これを掃除しなきゃならないなんて、嫌になっちゃう！

マディー
でも、文句を言っても仕方ないわね。私がやるしかないんだから…

マディー
町長！？つまりヴィクトリアのご主人ってことですか？

ブルーノ
いかにも…

マディー
でも、町長なんだからって人の邸宅に勝手に上がり込むなんて、どういう了見なんですか？

ブルーノ
ふむ…あまり歓迎されていないようだな。

ブルーノ
実は、君に提案があるんだ！

マディー
で、その「提案」っていうのは、私にメリットがあるんですか？

ブルーノ
単刀直入に言おう。この邸宅を引き渡してほしい。

マディー
そんなことだろうと思った！どうしてみんなこの邸宅を邪険にするんですか！？由緒正しきボールトン家のものなんですよ！

ブルーノ
君たちの持ち家であるのは確かだが、逆に聞かせてほしい。どうしてこの邸宅にこだわり続けるのかね？

マディー
え？どうしてって…

ブルーノ
先ほど、君の言葉が耳に入ってきたのだが…君は邸宅を心の底から嫌っているようじゃないか。なのに、ここに留まろうとする理由を聞かせてほしいんだ。

マディー
だって、ここは…私たちの家ですから、

ブルーノ
ミス・ボールトン…私は邸宅を大金で買い取ろう、と言っているのだ。その金があれば、ホープウェルベイにどんな家でも建てることができるぞ！

ブルーノ
君のおばあさんと一緒に、新たな人生を始めることができるだろう！

マディー
どんなに高価な物件も、家族の歴史や思い出が詰まった場所には勝てません。「家」というのはそういうものです、ゴライトリーさん。

ブルーノ
ブルーノと呼んでくれ、お嬢さん。

ブルーノ
邸宅に愛着があることは理解している。だが、まずは誤解を解かせてほしい。私はこの場所を取り壊すのではなく、保全したいと考えているのだ。

マディー
どういうことですか？

ブルーノ
私は、人の心を踏みにじる実業家ではない。ボーモントホールはホープウェルベイでも有数の歴史的建築物である、というのが私の見解だ。

ブルーノ
だからこそ、保全ほぜんが必要だと考えている。

マディー
でも、おばあちゃんが…その…今、トラブルに巻き込まれていて…

ブルーノ
君のおばあさんが警察の捜査を受け、難しい状況に置かれていることは存じているよ。

ブルーノ
そこでだ…このように無作法ぶさほうで不快ふかいな捜査は今すぐ打ち切るよう、町長として警察に働きかけてもいい。

ブルーノ
ボーモントホールを街で管理するとなれば、くだらない容疑でその歴史を汚すようなことは避けたいからね。

マディー
危ない危ない…もう少しでドクロマークを見逃すところだったわ！

マディー
このつるは、きっと有毒なんだわ。作業を続けるなら、もっと気をつけないと。

マディー
誰かは分からないけど、この部屋を厳重に守ろうとした人がいたってことね…

マディー
お、おばあちゃんの容疑を晴らす！？本当にそんなことができるんですか？

ブルーノ
それくらいはさせてくれ。

マディー
正直、何て言っていいのか分かりません。ありがたい提案だけど、正直なところ寝耳に水だし…でも…

ブルーノ
ミス・ボールトン…重大な決断を迫っていることは、私も重々承知している。しかし、捜査がいずれ打ち切られることは保証しよう。

ブルーノ
君のおばあさんも喜ぶのではないかね？「時は金なり」と言うし、決断は早い方がいいだろう。

マディー
そ、そうかもしれませんね…でも、考える時間をいただけませんか？

ブルーノ
もちろんだとも。私は妻からの電話に出なければならないので、これで失礼するよ。結論が出たら、ぜひ連絡をくれたまえ。

ブルーノ
私はホープウェルベイで壮大な計画を成し遂げたいと思っている。そのためには、君とその家族の協力が必要不可欠なのだ！

マディー
この像…とても美しいわね！ギャラリーに置いた方がいいんじゃないかしら？

マディー
でもそれじゃ、この像の気が済まないと思うわ…

マディー
バステトは健康や歓び、そして保護を司つかさどる古代エジプトの女神よ。

マディー
子供の頃からずっと、エジプト神話が大好きだったの。

マディー
確か、リンジーもエジプト神話に詳しかったって聞いたことがあるわ。

マディー
ホールデン！あなた、ここで何をしているの！？

マディー
ははーん…さては、またヴィクトリアの汚れ仕事の手伝いね？

ホールデン
ま、仕事には違いない。何か文句でもあるのか？

マディー
ええ、他人の家に上がり込んで邪魔をするつもりならね！

ホールデン
どう思われようと知ったこっちゃないが、俺は証拠写真の撮影という重要な任務の遂行中なのさ。

マディー
証拠？一体何の？

ホールデン
俺の口からは教えられない。構わず作業を続けてくれ…

マディー
あらそう。でも、好き勝手やらえるわけにはいかないわ。簡単に撮影できると思わなでね！

マディー
このタイル、変わった模様もようが描かれている…他のタイルとは違うわ。

マディー
それに、きちんとはまってない。飛び乗れば押し込めるかな？

マディー
…ダメね、何も起きないわ。じゃあどうしたら…

マディー
もしかしたら、何かが足りないのかも。

マディー
ここを掃除していくうちに、手がかりが見つかるかもしれないわね。

ホールデン
マディー…この家、大丈夫なのか？

マディー
大丈夫って、何が？

ホールデン
だってよ…もう少しですべって転ぶところだったんだぜ。それにさっき、飛び出た釘の上に座り込んじまったんだ。おまけに靴に接着剤が付いちまって！

マディー
あらそう…ここが気に入らないなら、帰ったらどう？

ホールデン
フン…

マディー
どうしたの、ホールデン？

ホールデン
決定的な瞬間をなかなか撮影できなくてね。巧妙に隠されているのかもしれないが…

ホールデン
どうも、妨害されているような気がする。

マディー
靴の裏を見てみた方がいいんじゃない？

ホールデン
…うわっ、マジかよ！？きったねぇ！

ホールデン
やれやれ…今日はこの辺りで切り上げるか。後は、邸宅の外観の写真を何枚か撮って帰ることにするよ。

マディー
仕事は捗はかどったかしら？

ホールデン
期待していたほど成果はでなかったよ。植物や水槽の写真なんて大した価値もないからな。

マディー
あっそう、それは残念だったわね。

ホールデン
まあいい。また近いうち来るよ。

マディー
この金色の破片は、方位磁針の北の矢印かしら？

マディー
でもヘンね、北の方角を向いてない…

マディー
こんな部屋にあるんだもの。きっと壊れているんだわ。

ジャッキー
今のってまさか、ブルーノ町長！？驚いたわ！

マディー
ああ、ジャッキー…そう、町長本人よ。

ジャッキー
でも、一体何をしにここへ！？

マディー
提案よ。邸宅を買い取って、おばあちゃんの捜査を打ち切りにしてくれるって。

ジャッキー
本当なの！？それで、何て答えたの？

マディー
考える時間が欲しいって言ったわ。

ジャッキー
マディー…まさかとは思うけど、提案を受け入れるつもりじゃないでしょうね？ブルーノ町長は、あのヴィクトリアの夫よ。信用ならないわ！

マディー
そんなこと、分かってるわ…でも、おばあちゃんのトラブルがすっかり解決して、新しい家に引っ越せるならいいかなって…

マディー
だって、もともとはそのためにここに来たんだから。

マディー
この噴水、細部まで意匠いしょうが施されていて…まさに芸術ね！水が入っていないのが残念だわ。

マディー
修復して使えるようにできるかは分からないけど、キレイに掃除するくらいなら問題ないはずよ！

ジャッキー
あなたにとって一番大事なのは、家族だってことは分かっているわ。だからきっと、正しい決断をするって信じてる。

マディー
ありがとう、ジャッキー！

ジャッキー
いいのよ。ところで…この臭いはなに？

マディー
臭い？多分、水槽からじゃないかしら…

マディー
でも、大丈夫！掃除なら任せて！

マディー
この部屋…本当にすごいわ、ジャッキー！だって、地面の方位磁針が…動かせるようになっているの！

ジャッキー
ええと…大丈夫、マディー？もしかして、最近眠れてなくてイライラしてるとか…

マディー
確かにちょっと興奮してるかもしれないけど、この部屋は本当に他と違うの。すべてがつながっているのよ！

ジャッキー
そんなに言うなら、見せてちょうだい！

マディー
まさか、今ので噴水が起動したの！？

マディー
キューピッドの矢が赤く光ってるけど、ちょっと不気味ね…

マディー
それにしても、まるで手の込んだパズルみたい。

マディー
もしかすると、他のタイルにも何か仕掛けがあるのかもしれないわね…

マディー
ウソ！？この方位磁針、ただの床のデザインじゃなかったの！？

マディー
まさか可動式だとはね…

マディー
こんな仕掛けがあったなんて、びっくりしちゃう！

マディー
まるで、メイソンがいつも遊んでるゲームの世界に迷い込んじゃった気分だわ！

マディー
今度は方位磁針が動かなかったわね。でも、溝がすべて水で満たされたわ。

マディー
この調子で探索を続けましょう！

マディー
やった、成功ね！コンパスが動作して、部屋全体が振動したわ！

マディー
でも、矢はまだ赤いままね…

マディー
いえ、違うわ…水槽よ！水が漏れてる！

ジャッキー
本当に配管工を呼ばなくていいの？

マディー
ええ！これは全部、方位磁針が引き起こした揺れが原因なのは間違いないから…

ジャッキー
この水漏れはやっかいね…

マディー
私、水槽の修理なんかしたことないわ！

ジャッキー
だったら…あの配管工の人を呼んだらどう？アッシュって名前だったかしら？

マディー
いいえ、その必要はないわ！こういう時のために、アッシュが技術を教えてくれたんだから！

マディー
よし！これでガラスが新品同様になったわ！

ジャッキー
うーん…方位磁針をもう一度動かして、ガラスが直ったか確かめた方がいいんじゃない？

マディー
心配しすぎよ、ジャッキー。これ以上、ヒビが入ることはないから…多分ね。

ジャッキー
アハハ、冗談よ。ゴメンね、マディー。でも仕事だから、もう行かなきゃ。後は頑張ってね！

ジャッキー
とはいえ、十分注意して。この部屋は、私たちが足を踏み入れてはならない場所だったような気がするの…

マディー
思ったよりスムーズにいったわね。ジャッキーが帰っちゃったのは残念だけど…

マディー
あと一歩よ。もう少しで正しい方角に向けることができるわ。

マディー
一体何が起きたの！？頭が混乱してきたわ…

マディー
矢が青色になったわ！まさか、こんなところに隠し扉があるとはね…

マディー
でもよく見ると、方位磁針も水の流れる方向も、すべてこの扉を指し示しているわ！こんな仕掛けを考え付くなんて…まさに天才の所業ね！

マディー
これで後は扉を開けて…中の秘密を探るだけね。