イザベラのクリスマス工房

イザベラ
クリスマスって最高！ごちそうにデコレーション、そして、なんといってもプレゼントよね！

エミリオ
そうだね…ねぇ、イザベラーー

イザベラ
そうだ！ねぇ、あの邸宅でクリスマスパーティーが開かれたりしないかしら？

エミリオ
開かれると思うよ。でもイザベラ、ちょっといいかい？

イザベラ
何、エミリオ？

エミリオ
ずっと話そうと思っていたんだけど…

イザベラ
何を？

エミリオ
僕たちがホープウェルベイに来てから、マディーたちはずっと親切にしてくれていたよね？でも、君に不満の声がみんなから上がっているみたいなんだ。

イザベラ
それは知っているけど、私はあの時、飛行機の時差ボケがひどくて…

エミリオ
イザベラ…

イザベラ
分かった、分かったわよ。何か埋め合わせするわ…

エミリオ
それはいい考えだね！きっとうまくいくよ。

イザベラ
こんにちは、ジャッキー！

ジャッキー
あら、イザベラじゃない。どうしたの？

イザベラ
ジャッキーは、クリスマスに何か欲しいものはある？

ジャッキー
クリスマスのプレゼントってこと？うーん…すぐには思いつかないわね。

イザベラ
靴下なんてどう？それともコーヒーカップとか？

ジャッキー
どうかしら…

イザベラ
考えておいて！

エミリオ
プレゼントには何を買うんだい？

イザベラ
何も買わないわ。今回は、ハンドメイドの手作りプレゼントを贈るのよ！

エミリオ
手作りのプレゼントなんて素敵じゃないか！僕も、陶芸の腕には自信があるんだ。

イザベラ
あいかわらず多趣味なのね、エミリオ！なんでもできるから、こっちも嫉妬しちゃうわ。

エミリオ
そうかな…？

エミリオ
それで、何を作るんだい？

イザベラ
まず陶磁器でしょ。それから手編みのニット帽とマフラーね。あとはアロマキャンドルも！

エミリオ
いいね！でも、作り方は知ってるのかい？

イザベラ
これから学べば大丈夫よ。和子さんが手伝ってくれるって言っているし。

エミリオ
そうだね…

メイソン
イザベラ姉ちゃん、こんにちは！今日はエミリオ兄ちゃんは一緒じゃないの？それと、今何しているの？

イザベラ
メイソン君…だったわよね？いきなに質問が多いわね。

イザベラ
エミリオは仕事よ。私は今、陶磁器を作っているの。

メイソン
へぇ…じゃあ、その粘土の塊を使って何か作るんだね。

イザベラ
もう作ったわよ。これ、ティーポットなんだけど。

メイソン
そ、そうなんだ…とても上手だね！

イザベラ
蜜蝋か大豆製ワックスか…どっちを使おうかしら？

イザベラ
エッセンシャルオイルも選ばなきゃ。

イザベラ
あのマディーって子、いつも怒ってばかり…いい感じでリラックスさせれば、少しは落ち着くかもしれないわ！

イザベラ
やだ、私ったらまた失礼なことを…エミリオの言う通り、今度こそ優しくしなきゃ。

イザベラ
うーん、このニット帽、どうも見た目がイマイチね…

イザベラ
編み物がこんなに難しいなんて！見ている時は、あんなに簡単そうだったのに…

イザベラ
せっかくだし、完成品の写真をSNSに投稿して、フォロワーに見せましょう…

イザベラ
エミリオ、写真を撮ってくれない？

エミリオ
もちろん！どういう写真がいいかな？

イザベラ
私がプレゼントを包んでいるところを、適当に撮ってくれればいいわ。

イザベラ
ただし、私の写りがいい角度でお願い。構図も重要よ。あと、証明もしっかりね！

エミリオ
うーん、要求が多いような…

イザベラ
今日は長い夜になりそうね！

イザベラ
うーん、陶芸は私には無理みたい…

イザベラ
でもエミリオなら、きっと簡単に作っちゃうんだろうなぁ…

イザベラ
彼に頼んだら、ティーポットをいくつか作ってくれるかも。

イザベラ
…ダメよ、イザベラ。自分を信じなきゃ！クリスマスには奇跡が起こるんだから！

和子
うちの宿は快適かしら、イザベラ？必要なものがあったら、遠慮なく言ってね。

和子
豪華さでは高級ホテルに負けるけど、宿泊客がくつろげるように、いろいろ工夫しているのよ。

イザベラ
ありがとうございます、和子さん。何から何まで完璧です！

イザベラ
私、ホープウェルベイを気に入りました。でも…

和子
どうしたの？何か困り事でもあるの？

イザベラ
私、みんなに嫌な思いをさせてしまったんです。

イザベラ
友達作りって難しいですよね。私はみんなと仲良くなりたかっただけなのに、失敗ばかりして…

和子
なら、親切にしてくれた人たちに、手作りのプレゼントを贈ってみたら？きっと喜んでもらえるわよ。

イザベラ
でも…手作りのプレゼントなんて作ったことないし…

和子
私が手伝うから大丈夫よ！それに、プレゼント作りで一番大切なのは、贈る側の気持ちなのよ。

和子
材料は何でもいいの。例えばその辺にある…

イザベラ
ゴミとか？

和子
ゴミというより…”いらなくなったもの”と呼ぶべきね。

和子
いらなくなったものでも少し手を加えれば、素敵なプレゼントになるのよ。

和子
私が実際に見せてあげるわ。

和子
お菓子作りなんてどう？食べてみると幸せな気持ちになるお菓子を思い浮かべてみて…

イザベラ
幸せな気持ち…おばあちゃんが焼いてくれたクッキーかしら…

和子
どんな味がしたか思い出せる？

イザベラ
ええ。とてもおいしかったです！

和子
なるほど…じゃあ、お菓子作りの達人の助けが必要かもしれないわね。

和子
この絵、あなたが描いたの？

イザベラ
自分のおちゃめな部分を表現しようと思ったんです。どう思いますか？

和子
とても前衛的で…興味深いタッチね。

イザベラ
この中だったら、どの絵が一番良いと思いますか？

和子
そうねぇ…この人魚の絵がビビっと来る気がするわ。

イザベラ
私もです！

イザベラ
ポルボロンのレシピですって！

イザベラ
これ、おばあちゃんが昔作ってくれたクッキーにソックリですよ！

ウルスラ
いいおばあちゃんを持ったようだね。

イザベラ
みんなはウルスラさんのことを、得体が知れない変わり者だなんて言ってるけど…私はそんなことないと思います！

ウルスラ
そ、そうかい。そりゃ、ありがとね…

イザベラ
陶芸と編み物はうまくいかなかったけど、キャンド作りの才能はあるみたい！

イザベラ
たくさん作ったキャンドルで、私の気持ちを表現するのよ。

イザベラ
お菓子作りを手伝ってくれてありがとうございます、ウルスラさん！

ウルスラ
なに、気にすることはないさ！

イザベラ
ところで、この町の古い缶詰って、いろいろと面白いものが入っているんですね！

イザベラ
“シロップ”と書かれた缶詰を開けたら、古いレシピが出てきたんです！

イザベラ
「ポルボロンの魔法のレシピ」ですって！

イザベラ
さあ、これで準備はすべて完璧よ！

イザベラ
大変だったけど、みんなに超特別なプレゼントを用意できたわ。

イザベラ
自分の才能が、自分でも恐ろしくなるわ！

イザベラ
ロディって、クリスマスは好き？

ロディ
好きだよ、実はこう見えて、僕はクリスマスを毎年楽しみにしていてね！

イザベラ
それが聞けて安心したわ！私、みんなにプレゼントを作ったんだけど、ロディの分もあるの。受け取ってくれる？

ロディ
もちろんさ！ありがとう、イザベラ！

イザベラ
中身は空けるまでお楽しみよ…と思ったけど、今言うことにするわ！

イザベラ
手編みのマフラーよ！

ロディ
…す、すごくかわいいデザインだね。でも、何よりもその気持ちが嬉しいよ！

イザベラ
マディー！今日のセーターも…かわいいわね！

マディー
ありがとう。何かご用、イザベラ。

イザベラ
え、えーっと…

イザベラ
私がホープウェルベイに来てから、あなたはいつも親切にしてくれて…お礼を言いたいの。

イザベラ
なのに、私ったら失礼なことばかり言っちゃって…

イザベラ
だから今年のクリスマスは、みんなにプレゼントを配ろうと思ったの…せめてものお詫びの印としてね。

イザベラ
ホープウェルベイはとてもあったかい町ね。あなたたちが企画するイベントも、毎回楽しみにしているわ。

イザベラ
それに、エミリオはあたなのことを気にかけているわ。私も、彼には幸せになってほしいの。だから…

マディー
それは…ありがとう。私に…いえ、私たちみんなにとって、エミリオは大切な友達よ。

イザベラ
それが聞けて安心したわ。

エミリオ
プレゼントの準備は順調みたいだね、ベラ！

イザベラ
そうかしら？きっと、今まで頑張ってきた成果が出たのね。

イザベラ
ところで、あなたはクリスマスに何か欲しいものがないの？

エミリオ
そうだなぁ…世界平和と、動物たちの幸せかな。

イザベラ
そういうことじゃなくて…あなたらしいけど。

イザベラ
あら、メイソンちゃんじゃない。

メイソン
“ちゃん”付け…？

イザベラ
サンタさんへのお手紙はもう書いたの？

メイソン
書いたよ！欲しいものがたくさんあるんだ！

イザベラ
なら、私もプレゼントを用意するサンタさんを手伝ってあげようかしら。

メイソン
そうだね…ちょっと待って。もしかして、あの手作りティーポットをくれるつもりじゃないよね？

イザベラ
さあ、どうかしら？人が頑張って作ったものに、その言い方はないんじゃない？

メイソン
そうだね…ごめんよ。僕、やっぱりティーポットが欲しいかな…

イザベラ
うーん…

イザベラ
ハンク、ここにいたのね。ずっと探していたのよ！

ハンク
き、君が僕を？一体何の用だい？

イザベラ
クリスマスに何か欲しいものはあるか、聞こうと思って！

ハンク
クリスマス？もうそんな時期か…

ハンク
実はデボラと協力して育児を始めてから、ほとんど眠れてなくてね…

ハンク
今はただ、ゆっくり眠れる時間が欲しいかな。

イザベラ
ごきげんよう、ウルスラさん！実はサプライズを用意したんです！

ウルスラ
悪いけど、サプライズは好きじゃないんだ。

イザベラ
そうですか…

イザベラ
それで？何か言うことがあるんじゃないの？

エミリオ
君は本当によくやったよ。個性的で心のこもったプレゼントをもらって、僕の友達もみんな喜んだはずさ。

イザベラ
ありがとう、エミリオ。あなたの大切な人たちと仲良くなれて、私も嬉しいわ。

エミリオ
君のことを嫌いになる人なんて、いるわけないさ！

イザベラ
そうよね！

イザベラ
ところで…マディーったら、あなたにゾッコンなのね。あの子もかわいいところあるじゃない。

エミリオ
えぇっ？そ、そうかい…？

イザベラ
ふふっ、大丈夫よ。誰にも言わないから！

エミリオ
マディー！よかった、やっと見つけたよ！

マディー
何か用？魚の世話や研究に…イザベラのことで忙しかったんじゃないの？

エミリオ
え…？

マディー
私だって忙しかったのよ！

マディー
邸宅には、いつだってやることがいっぱいよ。クリスマスだって、ゆっくりしていられないわ。

エミリオ
ちょっと待って。君はたぶん、僕とイザベラの関係を誤解していて…

イザベラ
2人とも、何やってるの？

イザベラ
今やっと、プレゼントをすべて配り終えたところなの。みんな大喜びだったわ！

イザベラ
エミリオ、ちょっといい？さっきのことで話があるんだけど。

エミリオ
さっきのこと？

イザベラ
さっきのことはさっきのことよ！忘れたの？

エミリオ
あ、ああ…さっきのことね！ごめん、マディー…また後でね！

マディー
さようなら。

イザベラ
ロディ！こんなところで会うなんて偶然ね！

イザベラ
ちょっと荷物が増えすぎちゃって…力自慢の男性を探していたところなの。

イザベラ
よかったら、少しだけ手伝ってもらえないかしら？

ロディ
力自慢？僕が？ああ、いいよ！

ロディ
たくさん買い物をしたんだね。サンタにでもなるつもりかい？

イザベラ
ふふっ…まあ、そんなところよ！